https://www.ucl.ac.uk/news/2025/mar/fragment-human-face-aged-over-one-million-years-discovered
スペインにあるアタプエルカは、2000年にユネスコにより世界遺産に指定された古生物学発掘現場の一つで、100万年以上前のヒト科の生物の存在や生活様式の証拠が集まっている。イギリスのUCLの考古学研究チームは、2022年にスペインの遺跡から発掘された成人の顔の左側を構成する顔の断片を2年間かけて詳細な分析を行い、その結果をNature誌に発表した。結果、更新世時代に西ヨーロッパに少なくとも2つの異なる種の人間が生息していることを証明し、ホモ属の進化について興味深い洞察を与えることになるとしている。 https://www.ucl.ac.uk/news/2025/mar/fragment-human-face-aged-over-one-million-years-discovered オランダのユトレヒト市などが中心に運営しているFish Doorbellプロジェクト2025が3月3日から動き出した。Fish Doorbellプロジェクトは、運河が多いオランダでは、閘門が閉じられていることにより、魚が河を遡ることができず、産卵が出来ないことを防ぐために考案された。ライブカメラを運河の閘門に設置し、河の上流に遡ろうとしている魚がカメラに映ったら、インターネット上のDoorbellを鳴らし、閘門を開けるように現地のスタッフに知らせる。世界中から本ライブ映像が閲覧されており、2024年度は250万ビューものサイトアクセスがあった。上流に遡ろうとする魚には、ヨーロッパに生息するコイ科のローチ、ブリーク、イデ、キタカワカマスなどがおり、これらの魚を見つけたら、Doorbellを押す。これによって、河を綺麗にし、健全にしてくれている魚達を保護することができるとしている。4月頃から魚の産卵時期のピークを迎える。 https://visdeurbel.nl/en/ イギリスのロンドンにあるセントポール大聖堂で、光と音のショー「ルミナス(Luminous)」が2月22日から28日まで特別に開催されていた。ピーター・ウォーカー氏がデザインを担当し、セントポール大聖堂に合わせたオリジナルのプロジェクションマッピング。本ショーは、セントポール大聖堂のファンドレイジングが目的で、チケットの売り上げは、大聖堂の修復や保全に使われる。今回のショーのデザインを担当したアーティストのウォーカー氏は、音楽を担当するDavid Harper氏とのデュオで、他にもイギリス国内の様々な大聖堂でショーを展開してきている。 https://projectionartgallery.com/index.php/large-scale-son-et-lumiere/st-pauls-cathedral-luminous/ エルミタージュ美術館 アムステルダム別館にて4月9日から8月24日の間、ライデンコレクションの期間特別公開される。ライデンコレクションは、ニューヨークのオランダ黄金時代の絵画の世界最大の個人コレクションの1つとして知られている。今回の特別展では75作品が展示される。そのうち、レンブラントの作品が17作品で、これだけの数のレンブラントの作品がライデンコレクションから一挙に公開されるのは世界でも初めて。また、公開作品には、フェルメールの作品も含まれる。本特別展は、アムステルダム市の開市750周年の記念事業の一環で、17世紀のオランダの日常を見ることができる機会ともなる。
https://www.hartmuseum.nl/en/exhibitions/rembrandt-to-vermeer/ イギリスのヒースロー空港に新しいVIPラウンジが開業した。新しいVIPラウンジは、The Windsor by Heathrowという名前で、自宅から空港までBMWの電気自動車による送迎、プライベートアートギャラリー、ミシュランシェフのJason Atherton氏による食事などが提供される。また、セキュリティチェックやイミグレーションは、ラウンジ内で済ませることができる。ヒースロー空港は60年前にVIPサービスを導入した最初の空港で、今回のVIPサービスを新しくするのに3万ポンドを費やしている。本サービスは、3名で3,812 ポンドから購入できる。 https://mediacentre.heathrow.com/pressrelease/detail/21927 ベルギーの王立アントワープ美術館でルーベンスのEnthroned Madonna Adored by Saintsの作品の修復が進行中だ。1月23日からはPhase4の修復作業であるリタッチの作業が開始した。通常はアートスタジオに作品を持ちこみ、修復をするが、本作品は6メートルの高さがあり、非常に大きい作品のため、王立アントーワープ美術館の展示室の一室で修復作業が行われている。修復の過程が公開されており、美術館の訪問者が見ることができる。修復は今年の秋頃まで続く予定。 https://kmska.be/en/event/studio-rubens スウェーデンのアーティスト、ミカエル・ゲンバーグ氏の作品である「ムーンハウス」が日本の宇宙スタートアップispace社のミッション2のSpace Xの打ち上げに搭載され、1月15日に宇宙に飛び立った。ミカエル・ゲンバーグ氏は、25年前から月面に家を建てるというアートワークを構想しており、今回、ispaceの協力によって実現されることとなった。ispaceの欧州子会社ispace EUROPEが開発した小型探査ローバー「TENACIOUS」(テナシアス:粘り強いという意味)が搭載されており、この小型探査ローバーに家が積まれている。月面着陸後、小型ローバーがこの家を月面に配置し、写真を撮影するということだ。
https://themoonhouse.se/ イタリアとスロベニアの国境地帯にあるノヴァゴリツァ市が、2025年の欧州文化首都に選定された。1947年のパリ平和条約でイタリアと旧ユーゴスラビアの国境が確定し、両国間の移動が制限され、中世以来地域の中心地であったイタリアの都市ゴリツィアへのユーゴスラビア人の立ち入りが禁止となったため、社会主義国家となったユーゴスラビア政府はノヴァ ゴリツァ (スロベニア語で新ゴリツィア) を新しい都市として建設した。現在でも二つの国家に分かれている都市ではあるが、欧州文化都市として選定することで、国境を超えた都市として両都市の平和的な発展を目指している。欧州文化都市として選ばれ、1年を通して様々な文化的なイベントが開催される予定。 https://www.go2025.eu/en 2024年のクリスマスイブにローマ教皇が、バチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂の聖なる扉を開き、正式に2025年の聖年がスタートした。聖年は、大赦と呼ばれる罪の免償が与えられる特別な機会で25年一度に訪れるカトリック教会が定めた特別な年である。教皇は扉の開放後、クリスマスイブのミサを執り行い、平和を祈った。25年1月上旬までにローマにある他の3つの大聖堂の扉も順次開放する。聖年の間、世界中の信者ら3000万人以上がローマとバチカンを訪れる見通し。数多くの信者が聖地巡礼でバチカン市国に訪れるため、ローマ市では観光客を含め多くの人たちを迎え入れる準備が進められている。 https://www.iubilaeum2025.va/en.html スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルク(Stechelberg)とミューレン(Mürren)の間に、世界一急勾配のロープウェイが12月14日に開業した。新ロープウェイは「シルトホルン鉄道20XX」プロジェクトの1つとして建設された。最終的には、シュテッヘルベルク=ミューレン=ビルグ=シルトホルン間の3区間が開通予定で、ジェームズ・ボンド映画「女王陛下の007」(1969年)に登場した「ピッツ・グロリア」として有名なシルトホルンへのアクセスを可能にする。ミューレンフルー(Mürrenfluh)は、ほぼ垂直の絶壁で、最大勾配159.4%(角度58度)のロープウェイが片道4分で昇降する。ロープウェイの移動距離は約1194m、標高差775mで、シルトホルン鉄道(Schilthornbahn AG)が運営する。急傾斜でもキャビンがケーブルにぶつからないよう、キャビンを吊るアームは長さ11mに及ぶ。ビルク(Birg)までの片道料金は大人79フラン(約1万3600円)となっている。 https://schilthornbahn20xx.ch/ |
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