https://www.york.ac.uk/robot-lab/are/
人間の手を介さずにロボットが自動的に自律進化するシステムの開発プロジェクトが、イギリスのエジンバラネピア大学、ヨーク大学、西イングランド大学、オランダのアムステルダム自由大学の4校による共同研究として行われている。プロジェクトはバーチャル空間と現実空間とで連動して行われている。完成形態のロボットを構成する各パーツ (組織) を、子供ロボットと定義し、個々の子供ロボットがデジタルプログラム上で自動学習によって様々なパターンの進化をヴァーチャル空間で繰り返す。そして、それぞれの子供ロボットが進化の最適解を得た時点でデータが遺伝コードを記録 (記憶) される。最適進化した幾つもの子供ロボットは、デジタルプログラムと連動している3Dプリンターでパーツが自動製作され、自動ロボット加工機によって組み立てられる。プロジェクトは、最終的にはロボットがシステムの中で自然と進化して新しいロボットが自動的に誕生していくことを目指している。 https://www.york.ac.uk/robot-lab/are/ イギリスのウィルトシャー州にあるストーンヘンジは、夏至に正面の石から日が昇り、冬至に同じ直線上の反対側に日が沈むことから、古代の暦を示す建造物という説が有力となっている。その暦の仕組みは未だ解明されず謎のままであったが、3月2日に国際的な考古学の学術誌『Antiquity』にて、英国ボーンマス大学のティム・ダーヴィル氏による、ストーンヘンジが太陽暦として使われていたことを示唆する学術論文が掲載された。当該論文に纏められているのは、2020年に行われた研究で、ストーンヘンジの大部分を構成する「サルセン石」は全て同じ産地のもので、同時期に設置されていたことが明らかになった。ダーヴィル氏は、ストーンヘンジの外側の輪を構成している全部で30個のサルセン石の1つひとつが1日を表していたと分析。そして、中央部分に門の型の構造物が5つあるので、30日に12ヶ月を掛けてから5日加算すると365日にとなり、ストーンヘンジの四方に配置されたステーション・ストーンを目印にして閏年を数えたと考察した。
https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/keeping-time-at-stonehenge/792A5E8E091C8B7CB9C26B4A35A6B399 https://www.newscientist.com/article/2310095-stonehenge-may-have-been-a-giant-calendar-and-now-we-know-how-it-works/ イギリスのオックスフォードにある欧州トーラス共同研究施設が、水素核融合の実験で、5秒間で59メガジュールという過去最大のエネルギー量の生成に成功したと発表した。水素核融合は太陽と同じ仕組みでエネルギーを生み出すことができる。実験では、高熱にしてプラズマ状態のガスになった重水素と三重水素(トリチウム) の2つの水素を、ドーナツ状の磁場に閉じ込めることで核融合反応が起き、ヘリウムと中性子と大きなエネルギーが生み出された。今回の実験結果によって、水素核融合エネルギーを使った発電所の実用化を目指しているフランス南部に建設中の核融合実験炉「ITER」は、その目標達成に一歩近づいたことになる。ITERは、日本、米国、英国、欧州連合、中国、ロシア、インド、韓国が共同で行なっている国際的な核融合研究の巨大プロジェクトである。 https://ccfe.ukaea.uk/fusion-energy-record-demonstrates-powerplant-future/ ノルウェーのBrumunddal市にある18階建てビルの『Mjösa Tower』は、現時点で世界一高い木造建築である。環境に優しく持続可能な都市建築物として設計・建設された。使用された木材は、フィンランドのMetsäWoodが生産した軽量で強度の高い集成材とのKerto®LVL (単板積層材) で、85.4メートルという建物の高さに耐える十分な強度と、均一で優れた強度対重量比を備えているとされる。ノルウェー人の投資家Arthur Buchardt氏がプロジェクト資金を提供し、ノルウェーのVoll Arkitekter社が設計を、ノルウェーのMoelven Limtre社が建設作業を行なった。 https://www.metsawood.com/global/news-media/videos/Pages/Mjosa-Tower-worlds-tallest-wood-building.aspx スイスのロザンヌ大学病院にて、下半身不随の患者の脊髄にインプラント(欠損した生体機能を回復させる医療器具)を挿入する手術を行った医学症例の論文が、Nature Medicine誌の最新号に掲載された。長さ6センチのインプラントを挿入して脳波に似せた電気刺激を筋肉に送ることで足を動かす仕組みの治療法となっている。今回の臨床研究では、3人の患者が手術でインプラントを装着した後に電気信号を調整したところ、1日で歩行が可能となった。そして、数ヶ月のトレーニングによって歩行に十分な筋肉量も回復し、1人での歩行移動ができるようになったと報告している。 https://www.humanbrainproject.eu/en/follow-hbp/news/2022/02/07/new-implant-offers-promise-paralyzed/ https://www.nature.com/articles/s41591-021-01663-5 |
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